花を贈ろうと、花屋さんに行った。
そこの花屋さんは、センスがあるアレンジが好きで、貰う時もそこのだとちょっとうれしい。
きれいでかわいい花達を眺め、どんな花束にしようか、どの花をメインにするか?などなど、わくわくして心が踊り、いろいろ想像を膨らませてからギフトカウンターに並んでいた。
すると、忙しくてちょっとテンパり気味な店員が、ひきつったつくり笑いをひっさげて話かけてきた。
「贈り物ですか?送料が○○円で箱代が○○円かかりますがよろしいでしょうか?」
「あ、はい…」
「では、こちらにお届けのご住所とお客様のご住所などご記入ください。お届けは最短で明後日になります。」
「あ、はい…」
「送料が○○円、箱が○○円、アレンジ花ですと、カゴ代がこちらですと○○円です。ブーケですと、手数料がお花代の○○%かかります。お花は○○円でお造りして、手数料は○○円になりますので、こちらですとすべての合計が○○○円になります。こちらでよろしいですか?」
って、え?もう金出すの??いやいや、ちょ、ちょっとあんたさっ!!さっきから金の話ばっかりかよ!!
どんな感じの、お花束にしましょう?とか、メインのお花のご希望はありますか?とかさあ、ほかにいろいろ聞くことあるだろうがいっ!
と、普段の私ならここが切り込みポイントだろう(笑)。だがしかしここは花屋だ。きれいでかわいい花達に免じて、心を仏にして言葉を飲み込んだ。
きっと彼女もお花が好きだったに違いないさ!お花が好きだから、お花屋さんで働いているんだろ?きっと、このせちがらい世の中に揉まれ、こんな事務的な人になってしまったんだね、可哀相に。
って、バカあぁ〜!確かに世の中はせちがらいが、やはりここは花屋だ。
花屋は、夢を売る仕事じゃないか?
贈る人も、贈られる人の顔を想像してわくわくするし、贈られる人は届いた瞬間その華やかさに心奪われて思わず「うわあ!きれい!」と言ってしまう。
その一瞬の夢の為に、たった数日で枯れてしまうものに5000円も10000円も払うんだろう?
なのに、なんだこの夢のなさ(笑)
…そんなんやったら、金贈るわ!!ボケっ!!
という気持ちで一杯だったが、ここは花屋(笑)ガマンガマン。
私は思う、花屋さんとケーキ屋さんだけは事務的であって欲しくないと。
夢見させておくれよ〜!